近年では建材畳床が主流のなか、稲ワラ畳床を用いた畳が高級品となり本畳と呼ばれています。稲ワラ畳床の畳は、湿度の調整に優れに常に呼吸しています。チリやホコリを吸引することで、室内の空気清浄も行ってくれます。また、なんといっても「柔らかい」の一言につきると思います。
天然素材の空調性能、そして最高の足触りと感触
畳のもつ適度な硬さと柔らかさ、そしてクッション性は、畳表のイグサが果たしている面もありますが、なんといっても畳床の性質によるものです。特に昔ながらの”稲わら”を素材とした畳床は、空気をいっぱいに吸収し独特の足触りと感触をもたらします。
稲わら畳床は、スポンジ状態のようになっていて、大量の空気を吸い込みそれが熱を通さない断熱効果をもたらしているのです。まるで呼吸のように空気循環の調整を自然におこなうので、”夏涼しく冬暖か”といった効果をもたらし、吸湿・吸音効果もあるのです。
稲わら畳床の表面
稲わら畳床を積み上げてる側面
稲わら畳床の構造と等級
稲わらを素材にした畳床は、単純に積み上げると40cm位にもなる量の稲わらを5cmの厚さに圧縮して縫い上げていますが、単に重ねるだけでなく、縦横に配して5~6層に仕上げていきます。昔は稲わらの層を”手縫い”で行っていましたが、現在はすべて機械逢着で生産されていて、一枚に使われる稲わらの総量も昔より多く、しっかりした畳床がつくられるようになりました。
稲ワラ畳床の品質基準として等級が設けてあり、特級から3等級まで格付けされています。畳床総重量を目安として、稲ワラ使用量がより多いものが良いとされています。ワラ畳床のワラの配層が【5段配】と【6段配】があり、配層が多いものが良いとされています。また、上級品ほど逢着間隔が細かく逢着されています。
ワラ畳床のより上級品であれば、足あたりがきっちりとし、使用経過年数が10年15年などでも表面のムラがなく、ヘタリも少なくしっかりしたものになっています。
本畳 稲わら畳床の特徴を重視したわら美人
近年の建築物構造はとても密封性が高く、稲わら畳床に湿気がこもりっきりになるケースが多く、カビやダニの問題になる事例があります。そこで稲わら畳床の短所を克服するために研究開発された「わら美人」とうい畳床があります。畳の仕上がりはまさに本畳そのものです。当店に「わら美人」のサンプル畳がございます。ぜひ「柔らかい」感触をお試しください。