畳の表面部分(ござ)を畳表といいます。畳表は藺草 (いぐさ)を一本一本織り込んだもので、国産として主に九州熊本県がメインの産地となっています。

畳表(ござ)の素材 いぐさ

一枚の畳表を織るのに、およそ四千本のイグサが使われていますが、イグサは収穫後すぐに畳表に織り上げられるのではなく、いくつかの手間のかけた作業工程が施されています。

たとえば、刈り取り後の泥染め作業であり、イグサの選別作業です。それらは粒ぞろいよく地合いの厚い良質の畳表を作るために欠かせない作業です。

一般的には上物ほどイグサの質と色調がそろい、下級品ほど色がそろっていなかったりして品質が落ちます。

畳のいぐさ 刈り取り

藺草 (いぐさ)

湿地に自生するイグサ科の多年生植物。現在は、栽培種を畳表として利用しています。昔は髄の部分を灯芯に用いたので「灯芯草」とも呼ばれた。七島イと区別し、「丸イ」と呼称されます。

畳表のイグサには、《丸イ》と《七島イ》の二種類があり、座敷向きの畳表には色調の美しい丸イ、商家の店先や農家の居間などには耐久力のよさが特徴の七島いを素材にした畳表と、それぞれ独特の味わいを作り出しています。

丸イ
イグサの一種。断面が丸く、一般に使われている畳表はこれで織られている。細く硬く、肌が青く光っているものほど良質。畳表には、染土で泥染め乾燥し、選別されたものを用いています。
七島い
断面が三角状になっているため、三角いと呼ばれる。カナツリ草科に属する多年生の湿生植物。元来は琉球で栽培されていたが、江戸初期に薩南を経て大分県に伝来。現在、大分・鹿児島県が生産地。七島いは泥染めをせずに乾燥したうえで織られます。縁なし畳の琉球表は《七島イ》を使った畳表のことです。

いぐさの泥染め

収穫したイグサを泥で染めること。イグサの乾燥が早く色ツヤが良くなり、固有の色調が保てる。

また、変色や褪色を防止し、独特の香りを生み出し、品質を保持する働きがある。これに使用する染土は、岡山・福岡・熊本を中心に用いている明石染土が伝統的だが、淡路島の断層から産出する淡路染土も有名です。

畳のいぐさ 収穫

畳表のサイズとタテ糸

畳表のサイズ
畳表には、和室の広さに合わせて本間間・三六間・五八間などがあます。
  • 本間 950mm x 2050mm 以上
  • 三六 910mm x 1960mm 以上
  • 五八 890mm x 1910mm 以上

本間は関西間・三六は中京間・五八は関東間(江戸間)のサイズとされていますが、現在住宅基準も関東間が基準とされていて五八サイズが支流を占めています。また、団地間ついてですが、畳材料は五八サイズを用いて加工されています。

太麻(ふとあさ)

タテ糸にマニラ麻や黄麻を使った畳表をいう。マニラ麻を原料としたものは麻糸タテ糸で最も優れたものとして利用される上物の畳表は麻立てで、二等以上の製品に使われています。

畳表 太麻(ふとあさ)

糸引(いとびき)

タテ糸に綿糸を用いた物で、綿糸は強靭な物が使われている。製品としては特等がなく、一等から三等に用いられています。

畳表 糸引(いとびき)