「食べられるイグサ」のニュースがあったので、ここでも少し紹介します。食用を前提とした完全無農薬で栽培された藺草(いぐさ)を「うどん麺」などに練り込んで一般販売されています。食用い草の特徴は、豊富な食物繊維でレタスの約60倍とされています。

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いぐさの食品

豊富な食物繊維を含む「い草」が、食品として注目されているとのこと。畳いぐさの国内最大産地である熊本県八代市で、今年1月食用イグサの普及に取り組む協議会を設立したとのことです。「いぐさで健康を創る」をテーマに、イグサ入りのケーキやクッキーなど商品開発を進めているそうです。

畳やゴザなど敷物の材料となるイグサですが、古くは薬草として利用されていたとのことです。日本現存最古の薬物辞典(本草書)「本草和名(ほんぞうわみょう)」でも「燈心草(とうしんぐさ)」の名前で記されているそうです。

さて、食用といっても、そのまま食べるのではなく、無農薬栽培のい草を熱処理後、粉末にします。この粉末、見た目は抹茶のようで、「いぐさの粉」として販売されているほか、うどん麺やお菓子に練り込んで、さまざまな料理に利用されています。

食用イグサのことは、熊本県八代市のイナダ有限会社さんが食用のイグサを栽培生産して粉末状にしたものを販売していることをネットか新聞で存じ上げていました。確か「い草アイスクリーム」という商品だったと思います。

今回ニュースで話題になったのは、熊本市高校生のアイデアを基に、同市のお菓子メーカー「熊本菓房さん」がケーキ「い草のサンドケーキ」を商品化たとのこと。熊本菓房さんは黒糖や紅茶などのクッキーも発売する予定だそうです。

また、肥薩おれんじ鉄道が運行する人気列車の「おれんじ食堂」のメニューでも、い草が採用され、開業10周年を記念した2月5日運行の車内で、いぐさ粉末を練り込んだ手延べ麺が出されたようです。


イグサ栽培での農薬

食用いぐさに関わらず、人の口に入る農産物の農薬管理は大変重要です。ご存知のとおり現代の日本国内農業では、国が定めた基準値を上回って流通することはいけません。この品質管理こそが一般的な国産品人気の理由ではないでしょうか。

食用でない畳のい草に関しても、国産農家は農薬基準に基づいて生産管理しています。しかも近年のい草品種は害虫に強いものが品種改良で開発されていて、農薬散布量は昔に比べて減っていると聞いています。それでも雑草駆除など労力が大変なこともあり、無農薬というわけにはいかないようですね。

それと20年ほど以前は、畳の床下に「防虫紙」を敷く施工が多くありました。これはダニ駆除による対策で畳工事では一般的な事情といえました。しかし近年、建材畳床をはじめ材料に変化があり、ダニの生息繁殖する素材ではない事から「防虫紙」を敷くことはほとんどありません。この「防虫紙」はもちろん人体に影響がない程度の薬品量ですが、健康面を考えると無薬品が一番だと思います。このことから当店では、よほどの事情がないかぎり「防虫紙」や薬品の使用をしていません。

食べ物でないとはいえ、畳は直接「寝転んだり」「触ったり」するものです。特に、赤ちゃんや小さい子供たちの影響を考えれば安全に管理する必要があります。消費者の方々はもちろん、私たち業界の人間もこの事を常に考慮しなければなりません。

ニュースソース

「 畳、敷物…食べてもいい草 熊本・八代の企業・団体が推進協 」

https://sankei.jp.msn.com/region/news/140301/kmt14030102340000-n1.htm